スポーツトレーナー

プロ野球のトレーナーって!?⑧

2010/12/07 記事 (amebloから抜粋)

トレーナーの仕事 続き・・・

③体を診れば全てが分かる

―トレーナーをやっていて”やりがい”を感じる点は?

当たり前ですが自分が診た選手が活躍してれば嬉しいでし、故障した選手を予定よりも遥かに早く復帰させる事が出来た時も嬉しいですね。
ただ、選手が体の状態が悪い時に”矢作先生お願いします”と指名で来てくれた時が一番やりがいを感じますね。これがトレーナーへの信頼なんです。監督・コーチも「矢作先生に診てもらえ」と選手に言ってくれます。年下でも年上でも技術を認めてもらえると敬意をもって”先生”と呼んでくれます。トレーナーはそうでなければ。

最近、若いトレーナーと若い選手達との関係が崩れてきている感があります。ニックネームで呼び合ったり、舎弟の如く名前を呼び捨てで、「おい」とか「揉んでくれや」みたいな感じもうかがえる。これは良くないことなんです。本当は、私達ベテランが教育すべきなんですが、手が回らない部分もあるし、昔のように、吉村や岡崎、落合さんに清原みたいに若手を締めることもなくなってきたと思われる。明るく接することは必要なのですが、ベタベタとくっついているのもなんだかなぁ~と思います。信頼と教育。「先生」と呼ばれるようになれば、ある程度の地位は確立できたと思えるでしょう。

―プロ野球のトレーナーならでは苦労は?

選手の状態は企業秘密なんです。絶対外に漏らしてはいけない。ですから一番大変だったのは、どうやって記者から逃げるかでした(笑)。
あと、近年はトレーナーの数が増えてきたので、選手を把握出来なくなってきている事です。その上選手個人がパーソナルトレーナーと契約している場合があって、そうなると体の状態の情報交換が出来ないんです。トレーナーの数が多いと選手を触るトレーナーが毎日代わってしまうので、故障者は治りが遅くなります。一人でやっていた頃は、治療のプロセスが頭に入てっていたのですが、間に別の人が入るとそれが狂っちゃう。かといって人数が少ないと隅々まで診られないし…苦しいところですね。

各のトレーナーはバックグランドも違えば、治療技術も違う。そんな中、自分の自信のある技術で選手をみていくのですが、やはり意見に大きな差が生まれてしまう。それを調整するのも大変であり、いっそのこと、自分ひとりでやってしまいたいと考えてしまう。ただ、若いトレーナーの教育も必要であり、難しいところなんです。治りが遅くなってしまうのは事実で、安全第一という考えがあるからでしょう。
新聞記者さんたちも昔と違って、何でも記事にしてしまうという傾向もあり、一般論がその選手の話しにすり替えられたりしたこともあり、あの手この手の誘導尋問みたいなこともするし、名前を出すなって言っていても名前が載っていたりして、あとで会社に怒られる。(^^;)
話しの分かる記者さん、レポーター、アナウンサーとしか話せませんって感じでした。

―選手たちは痛みに慣れたり強くなるものなんでしょうか?

アスリートほど痛みに弱いです。痛みの感じ方が敏感って言った方が良いかな。

―なるほど。自分の体の異変に気付きやすいんですね。

防御反応があるって事だと思いますよ。

―死球を受けた選手にコールドスプレーをかけますが、効果はあるんでしょうか?

コールドスプレーって気休め。ユニフォームやらストッキングの上からやっても皮膚まで届かないからね。ベンチに戻ってきてから直接コールドスプレーします。試合後はアイシング。大抵は打撲ですが、あんまり青ざめていればレントゲン撮りに行きます。

―投手と野手で体に違いはありますか?

基本的には同じです。ただ、投手は肩回りに筋肉が付いちゃうとダメです。

―選手の体を診れば、調子なども分かるんですか?

調子が良いか悪いかはいつも診てれば分かりますが、トレーナーでもよほどのベテランにならないと分からない領域ってのもあるんです。例えば、相手投手のイニング前の投球練習数球を見て、「今日は初回○点取れるな」とか分かるんですよ。そういう見る目が出来てきます。味方の投手も同様で「もう次の投手準備しておいた方が良いなぁ」とかね。

集中して観察すると、勝てるか、負けるか分かります。もちろん、監督、コーチの見る目もありますが、試合の展開がどのように進かを予測できるようになると、準備がうまく出来るようになります。この領域まで行ければ本物です。

―監督に助言する事もあるんですか?

信じてもらえないから言いません(笑)昔、言った事もありますが。
野手も場合も「どのコースが打てない」「流す事しかできない」「ゴロしか打てない」といった状況は全部分かっちゃいます。

―今季終盤に、巨人の坂本選手がポップフライばかり打ってしまうという状況に陥っていたようですが…

どこか崩れてるんでしょうね。体のバランスがうまく取れていない。
投手だったら「インコースしか投げられない」「高めしか投げられない」といった事も体を診れば分かります。そこで「じゃあ、どうやって治すか」っていうのが分からないと本当のトレーナーではない。

―様々な球種を投げられる投手は体のバランスが良いんですか?

球種が多い投手は誤魔化せます。インコースの直球がイマイチならシュートを投げれば良いとかね。ただ自分でそれがコントロールできる投手じゃないと難しいけど。野手の守備も同様。右側は楽だけど左側は難しいとかも体の問題だったりします。それを治してやるのが本当のプロ野球のトレーナーの仕事です。

練習の時点でこのような癖みたいなものや、きつい動きをしているなどを見つけたら、選手の知らないうちに治しておくのです。

今日はこの位で・・・
また明日・・・

(^O^)/

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